さばぺんタイムス

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「貧しさ」と向き合うために。「健康で文化的な最低限度の生活」を今こそ読もうぜ!その2

「健康で文化的な最低限度の生活」紹介、第2弾でございます。

 

第1弾は 

へ、どうぞ~。

 

今回は、最新エピソードのご紹介です。7巻から、2巻またぎでのエピソードになりますね。

 

ネタバレにならないように...どうにか...!笑

 

 

もくじ。

 

 

「子どもの貧困」との遭遇

さて、「子どもの貧困」という言葉をご存じでしょうか?なんとwikipediaで記事になっているくらい、この言葉はもはや一般的なものになっています。

ja.wikipedia.org

「貧困」と一口で言っても、その定義は難しいものです。よく話題になるのは「相対的貧困」「絶対的貧困」という言葉ですよね。

 

絶対的貧困」の方が、イメージはしやすいと思います。これは単純に、暮らしていくだけのお金が満足にない状態。語弊があるかもしれませんが、服がボロボロだったり、家賃も滞納が続き、その日の食べ物すら困って...といったような状態を指します。

 

対して「相対的貧困」とは、日本全体で見た時に、「普通」よりもお金が少ない状態を指します。「普通」という言葉も難しいですが、例えば、衣食住は満足に足りていても、風邪をひいたときに病院に行くのをためらってしまったり。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

 

何が問題か、というと、「将来のためのお金」が作れないことです。これによって一番ダメージを受けるのは、そういった家庭に子どもがいる時。その家庭に暮らしている子どもは、ひょっとしたらお金の事情で進学できないかもしれません。ひょっとしたら、修学旅行には参加できないかもしれません。

 

「食べていけているのならそれでいいじゃないか。進学できなくとも、働けるのならばいいじゃないか」と思われるかもしれません。外の立場から見たら、そんなことが言えるのかもしれません。しかし、当事者、特に子どもだったらどうでしょうか。

 

「自分は周りと違うんだ」「普通ならできることが、自分にはできないんだ」この感覚が、どれだけ子どもを追い詰めるか。しかもそれは、彼らの力では解決のしようがありません。ちなみに、今日本ではそのような子どもが7人に1人はいるということが、データで明らかになっています。

 

例によって話がそれてきてしまいましたが、そんな「子どもの貧困」につながるエピソードです。

 

「シングルマザー」

7巻から始まるエピソード。今回のケースで出てくるのは、いわゆる「シングルマザー」です。

 

本人が申請に来たわけではありません。発覚するのは、その子どもの行動から。「子どもが物乞いをしている」という近所の通報から、事態が見えてきます。

 

子どもが物乞いをしているという状況じたい、めったに見るものではありません。とは言え、「信じられない」というほどのものか、というとも何とも言えないですよね。

 

登場するその子の母親はずっと暗い表情のまま。帽子を深く被り、マスクをしたまま。完全に心を閉ざしているような状態です。

 

 

3年前のデータにはなりますが、いわゆる「シングルマザー」の世帯は、123万世帯。もちろん形態は様々なのでしょうが、今回登場する母親も、そのうちの一つ、と言ってもいいのかもしれません。

 

しかし、実際に読み進めていくと、厳密に「母子家庭」であるとは言い切れない状況が、そこにはありました。

 

詳細はぜひ購入していただいて読んでほしいのですが、このような「グレーゾーン」の家庭って、実際はかなり多いんじゃないかな、と感じました。

 

「データでは拾いきれない貧困」というのは多く存在します。ここで書くことはできませんが、私自身もそうした「貧困」に触れたことは何回もあります。

 

往々にして、そういった「拾いきれない貧困」というものは隠されがちです。今回この母親を担当する「栗橋千奈」も、次々に明らかになる「貧困の真実」に振り回されていきます。その中には、果たしてケースワーカーが立ち入るべきなのだろうか?という問題すらあります。

 

ここでやはり思い出すのは、1巻の先輩職員「半田さん」の言葉。

 

「それぞれの人生がある」。

 

どんな人にも、そこにたどり着くまでのバックグラウンドというものが存在するのです。それは、望んだにしろ望まないにしろ。深刻な問題を抱えたとき、人はそれに向き合わなければなりません。

 

その時、どうするのか。「栗橋」は、悩みながら、時に失敗しながらも、全力で母親の人生に向き合っていくことになります。

 

7巻で佳境を迎えたエピソードも、8巻でいよいよ終結。母親にとっては、救いのある結末だな、と私は感じました。

 

ただ同時に感じたのは、こういった着地を見せるケースがある一方、そうではないものというのもたくさんあるのではないだろうかということ。

 

そして、その方がよっぽど「現実」なのだろうなということです。

 

 

「貧しさ」と向き合うために

ここまで書いてきましたが、なんだかネタバレを恐れるあまり紹介もハンパだし、貧困の話には着地点を見つけられないし、グダグダになってしまいました...笑

 

簡単には片付けられないような問題がここには横たわっていて、でもそれを解決しようと戦う人たちが、世の中にはたくさんいます。

 

ぜひこの「現実」を知ってほしい。この記事を通して、少しでも触れてもらうことができたら、幸いです。

 

そしてぜひ読んでほしい「健康で文化的な最低限度の生活」。マンガの力って本当に偉大だなと私は思います。言葉だけではわからない、伝えきれない世界がそこには広がっているのです。

 

パート1の最初のリンクから、1巻と2巻が無料で読めるようです!!ぜひ!!読んでほしいです。

 

それでは、また~。