さばぺんタイムス

音楽と、本のレビューを中心に、その他もろもろを取り扱いたいです。

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「銃・病原菌・鉄」読みました。世界史は科学できるのか

 

 

5年前くらいに読んだ本です。

 

ザックリ言うと、「実は歴史には、『1+1=2』のような決まった法則があるんじゃないか?」というのを探求している本です。

 

たとえば、オーストラリア。むかーしむかしのある時点では、ヨーロッパよりもよっぽど発展していた地域だったそうです。でも、そこがヨーロッパの植民地になってしまった。なぜ?

 

たとえば、中国とヨーロッパ。中国という地域は、昔からだいたい「一つ」にまとまることがほとんどだった。対して、ヨーロッパでは数百の国家が乱立し、「一つ」にまとまることなどほとんどなかった。なぜ?

 

これは決して「ヨーロッパ人が優秀だったから」とか、逆に「ヨーロッパ人が野蛮だったから」という理由ではないんだよ、というのを指摘しているのがこの本。

 

じゃあ何が理由?一言でいえば、「環境」

 

オーストラリアがヨーロッパの植民地になってしまったのは、農業ができるだけの豊かな土地と、栽培できる植物が少なかったから。ヨーロッパがバラバラだったのは、地理的に複雑な場所だったから。

 

単にそれだけ!以上!というのが、この本です。で、その「環境が決める」という理屈は、すべての歴史に適用できるんじゃね?ということで、上巻下巻とたっぷり使って、様々な歴史を「環境」の一言で説明しようと頑張っておられます。

 

この書籍は、「○○人は遺伝子的に優れている」みたいな理屈が、実は嘘っぱちなんだよ、ということを教えてくれます。この本を読んでから、砂漠のペンギンはその手の話を一切信用しなくなりましたね(*ノωノ)キャー

 

 

もちろん!「環境」の一言では説明がつかないものも多々あるんだよ、ということも書かれています。例えば、パソコンのキーボードの文字配列。例えば、インドのカースト制度。例えば、アレクサンドロス大王ヒトラーの登場。こういった「文化」とか「個人」については、説明のできない「歴史のワイルドカード」なんだよなあ、と書かれています。

 

難しい言葉で言うと「マクロ」と「ミクロ」の話なのかなあと私は思っていて、「マクロ」の視点、つまり大きな歴史の流れならば「環境」で説明つけられるかもしれないけれど、「ミクロ」の視点、つまり個々人の歴史の流れだと説明は難しいんだろうなあって。ひょっとしたら、今後は「ミクロ」が世の中の流れを決定づけるかもしれませんしね。

 

そういった意味で、タイトルに書いた「世界史は科学できるのか」という問いは、なかなかに難しいんだろうなあというのが見えてきます。でも、極めて挑戦的で、面白いテーマだよなあ、と思いますし、それだけじゃ片付かないから、「やっぱり歴史は面白い!」と思います。

 

似たようなことをやっているのがマルクスなんだろうなあ、とポツリ。あの人は、人の心を科学しようとしましたので。どうも世の中には、「全部説明してやろう」という人間が一定数いるみたいですね。

 

新しい視点を知りたい方におススメ!ただ、超長いし、エピローグで欲しい情報が全部まとまってたりして「はじめっからこれ書けや!!!!」となったりするので結構ストレス溜まる本です!ぜひ!

 

ァディオ───(`・ω・´)ノ───ス