さばぺんタイムス

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「資本主義の極意」読みました。読みづらかったです。要点まとめました

 

資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ (NHK出版新書)
 

ずいぶん大きく出たタイトルですが、佐藤優さんの理屈は結構好きなので読ませていただきました。人の世の森羅万象に資本主義を結びつけちまおうというコンセプトの本です。

 

「資本のカラクリを解く!」と銘打ってありますが、そんなに大それた感じではなく、資本主義って結局どっから出てきたのよー、という入門書みたいな感じです。まあ、セールス目的のタイトル付けでしょう。

 

本書では、特に、日本における資本主義の展開についての分析が、高校の「世界史A」の教科書、それから宇野弘蔵さんという経済学者の理屈を通しておこなわれています。最後の第四章は、その分析を使って現代社会の問題点をあぶり出すよ、って感じ。

 

ただごめんなさい、記事の最後に書きましたが、この本分かりづらいんっていうか、要点の抜き出しようがないんですよ。なので、「資本主義の成り立ち」というものだけに絞って、要点を書かせていただきますね。

 

 

 

 

いわく、いちおう資本主義というものにはマニュアルがあって、むかーしむかしの王様と子分の関係を金持ちが粉砕して、金持ちが食いっぱぐれた子分たちを金で雇い始めるところから始まらなければならないことになっているらしいと。ところが、日本じゃどうもその辺りの流れがいびつで、マニュアル通りにはなってないらしい。

 

どういうことかというと、結局マニュアルというのはイギリスで作られたものだから、イギリスでしか通用しなかったんだよ、ということなんですね。日本はそのときのイギリスの仕組みをパクって後から資本主義を始めたので、言ってみれば「つづきから」になったわけです。なので、「はじめから」のイギリスとは、そもそも組み立て方が一緒になるわけがなかったんです。

 

ここら辺の理屈は、「銃・病原菌・鉄」の理屈に近いものがあるんじゃないかな。

 

www.sabapen.net

ぶっちゃけこの時点でマニュアルは破たんしているのですが、それでも時代は流れていきます。日本の資本主義は、いびつなままやっていくわけです。

 

ちなみにここら辺のいびつな状態をうまいことまとめようとしたのが宇野さんなのですが、正直まとめたところで「...だから?」って感じなので、この記事では取り上げません。

゚・。・(ノ∀゚)σ・。・゚イーッヒッヒッヒッヒッヒ

 

 

さて、マニュアルは金持ちが王様と子分の関係を粉砕するところで終わるはずだったのですが、ドイツにいたマルクスというおじさんが「なんでやねん」と言い出し、続きを作りました。

 

いわく、子分たちは金持ちの奴隷状態になってしまうのですが、子分たちの方が絶対数が多いので、最終的に暴動なりなんなりを起こして金持ちを根こそぎぶっ倒し、子分たちだけの平等な世の中が出来上がるはずなんだよ、と。というか、マルクスおじさん的には金持ちムカつくからそういう世の中にしてしまえ、という感じ。

 

 

王様と子分の関係が「第一話」、金持ちと子分=奴隷の関係が「第二話」とするなら、子分たちの世の中は「第三話」と言った感じです。それぞれ、「封建制」「資本主義」「社会主義」と言い換えることができます。

 

 

実際のところ、社会主義マルクスおじさんの願望でしかなく、世界のほとんどは資本主義の段階でストップしましたが、一部の国ではマルクスおじさんブームが生まれ、がんばって社会主義を始めることに成功します。それがソ連、今のロシアですね。

 

こうなると他の資本主義の国にいる金持ちたちはビビりだします。自分の国でも社会主義が始まるんじゃないかと。ちっこい国ならともかく、ソ連はむちゃくちゃデカい国だったので、影響があるんじゃないかということですね。

 

そこでどうしたかというと、うまいこと子分たちにもうけを配分したり、時にはガッツリ脅しを加えたりして、社会主義を始めさせないようにするわけです。子分たちが暴れようとさえしなければ、社会主義は始まらず、金持ちは金持ちのままでいることができますから。もちろん多少子分にもうけを分け与えるので、自分の儲けは減ります。でも、0になるよりはマシ、という理屈。これを「修正資本主義」と言ったりします。

 

それでも子分たちの不満がたまった時はどうすればいいでしょうか。そういうときは、自分の国以外からガッツリお金を奪い取ってきて、子分たちに分け与えました。あるいは、他の国を丸ごと子分にして、「子分の子分」を作ったり。言い換えるなら「戦争」「植民地」です。「帝国主義」と言ってもいいかもしれません。

 

 

そんなことをしているうちに、ソ連はなんと自爆してしまい、国そのものが消滅してしまいました。理由は様々ですが、結局マルクスおじさんの願望は「願望」でしかなかったね、って感じです。着眼点はめちゃくちゃすごかったんですけど、残念ながら人間は、皆が皆マルクスおじさんみたいに賢くないんですよねー。

 

社会主義はほとんど幻みたいなものになってしまい、今は小さい国が細々と頑張っている程度。結果、資本主義が誰にも邪魔されない世の中が生まれました。それが現代、というところです。

 

邪魔されなくなった資本主義がどんな世の中を生み出すか、というのは、今の世界を見れば一目瞭然ですね。金持ちはどんどん金持ちになり、子分はどんどん貧しくなっていきます。アフリカの富豪の話が正にそんな感じじゃないでしょうか。

www3.nhk.or.jp

子分たちの不満がたまった時は、戦争です。ただ、昔ほど戦争を簡単に始められる世の中ではなくなってしまったので、戦争の代わりに「貿易」をうまいこと使うわけです。

 

ジャイアン出木杉君レベルに賢くなったので、殴らずにのび太からお金を奪い取れるようになったんですね。のび太を殴るとジャイアン自身は母ちゃんに殴られますから、より自分にとって痛くない方法を選ぶのです。手間はかかるんですけど。

 

アメリカだけが例外で、ヤツはのび太から奪うだけじゃお金が足りないので、スネ夫を影で痛めつけて金をぶんどってる感じです。かわいそうに。

 

そんな話が長々と書かれているのがこの本です。

 

 

さて、こんな世の中でいいの?という話です。いま、我々子分たちの大多数は、キレない程度にはお金をもらえているので、まあ満足。もらえてない人たちもいますが、社会を変えられるほど数が多くないので、暴れてもムダだよなー、と思っています。それに、社会をどう変えるべきか、イマイチ分かりません。だって「第三話」は幻でしたから。

 

金持ちたちは、誰か一人の金持ちをたまーにサンドバッグに仕立て上げ、子分たちに殴らせておけばとりあえず彼らのストレス発散になることを学びました。これは、金を多く分け与えるよりよっぽど手っ取り早く、賢いやり方ですよね。

 

そんな、今の日本。

さて、「第四話」はどこにあるんでしょうねえ。

 

ちなみに、佐藤優さんの回答は、「知らん。その内来るっしょ。ガマンしとけ」です。

゚・。・(ノ∀゚)σ・。・゚イーッヒッヒッヒッヒッヒ

 

うまいこと見つかるといいんだろうけど、まあ、みんながみんな「自分が儲かればオッケー」のうちは、繰り返すだけなんだろうな。最近勉強してると、「第四章」のヒントは意外と中国にあるんじゃないかと思ったりもしているんですけどね。

 

 

なんていうのかなあ、この本は何が言いたいのかよく分かんないんですよね。第一章~第三章までのテーマと、第四章のテーマがちがいすぎて、まとまりが無くなっちゃってるんですよ。ぶっちゃけた話、第四章を読むのに、第一章~第三章を読む必要はないです。読まなくても大体分かりますから。

 

たとえて言うなら、「カレーの極意!」というタイトルの本が、第一章~第三章でカレー粉の歴史をこまごまと説明した後、第四章でカレールーを使ったカレーの作り方を説明してる、みたいな。いや前半要りませんやん、みたいな。

 

しかも、一番最後は「カレールーもカレー粉も中途半端だ。究極においしいカレーを作る必要がある。作り方は、分からない。」でまとめられてるので、( ゚д゚)!?みたいな。

 

 

そんな感じですね。なかなかに難解、というか捉えどころのない本なので、総論的な感覚で読むといいのかなと思いました!砂漠のペンギンみたいに「カラクリを解くだと!?」とつられると痛い目にあいます!!以上です!!!

 

ァディオ───(`・ω・´)ノ───ス